美大までの足跡

「そうだ、美大へ行こう!」中学3年のときに思い立ち、美大を受験するまでの絵画塾(美術予備校)体験談です。

最低限気を付けること。

さて、初日に描いたデッサンを爆笑された私ですが。

 

いったい、何がいけなかったのでしょう。

 

それをひもといていきましょう。

 

デッサンで何を求められるの?

高校生が受験でデッサンを学ぶ場合。

まず求められることは、正確性です。

 

あくまで私の主観ですが

 

「目の前にある物と同じように見えるように書く。」

 

これです。

一言で言うのは簡単ですが、なかなか出来ることではありません。

 

そして、同じように書くのは同じですが、求められる物が学部によって変わります。

 

求められるもの

 

美術学部:正確性+雰囲気や味

デザイン学部:とにかく正確で奇麗な写真の用なデッサン

 

アイディアが美術学部より重要そうなデザイン科ですが

実は一番正確性、精密性を厳しく求められます。

 

なので、道具の使い方の考え方も違いますが…

それはまたいつかお話ししたいと思います。

 

とは言うものの、正確に書かなきゃいけないのはどの学部も同じ。

 

簡単に言ったら、「リンゴ」をかけと言われたら「リンゴ」を描くのはどこでも同じこと。

味を出すために、「なし」を描くことを許されるわけではありません。

 

まずそのことを最初に学ぶのです。

 

で、何をやらかしたの!?

ということで、デッサンとは何じゃらほい!ということを説明したところで、

初回デッサンで私の何がいけなかったのかを書きたいと思います。

 

私がやらかしたミス。

それはそう。

 

「輪郭を描いた」のです。

 

それも6Bの鉛筆で後が残るくらいにぐりぐりーっと。

それはもうグリグリ描いた後が見えるくらい。

 

で、線を描いた後、色を塗ったのです。

 

さて、これを見たあなた。

何がいけないのか分かりますか?

 

「えー、だって輪郭描かないと絵なんかけないじゃん。」

 

もしかしたら、そう思う人がいるかもしれません。

 

しかし、これ、デッサンの上ではアウトです!!!!

 

何がいけないのか。

 

ここでさっきの説明を思い出してください。

「デッサンとは、正確性が求められます。」

『リンゴ』と言われたら、『リンゴ』を描かなければいけない。

勝手に『なし』を描いてはいけないのす。」

 

 

さぁ、思い出したところで、目の前のリンゴを見てみましょう!!

近くになければ何でもいいです。家具でも本でもPCでも携帯でも!

 

さあ、あなたが今見たそれ

どれか一つでも「輪郭」がある物体は存在しましたか?

 

縁や角はあるでしょう。端が塗られている物もあるかもしれません。

でも、それは2次元で物を表すとき描く線とは異なっていて、同じ線ではないですよね!?

 

そう、3次元に2次元と同じ意味での輪郭線なんて存在しないのです!!

 

そして、漫画と違いデッサンは正確性が求められる。

つまり、輪郭なんか描いてはダメなのです!!!

 

もちろん、最初に当たりは描きます。

でもそれは、描いているうちに、自然と勝手に浮き上がってくる物であって、最初にがっちり描いていい物ではありません。

(世に言う天才は別ですが、ほとんどの99%の人はその方法ではかけません(私は会ったことが無い。))

 

私は、輪郭描いてから色を塗る方法を、勝手に「塗り絵方式」と呼んでいますが、初心者なんかだとたまに見かけます。

ゆるいところや、厳しくない美術部だと、それで上手く見えればあまり言われませんが、

厳しい受験用絵画塾だとまず叩かれます。

 

皆さん絵を向上させたいなら、まず、この塗り絵式はやめましょう。

 

 

ということが大人になって分かると、なぜ先生が「落ち着いて」と言ったのか分かります。

 

必死になって、強い筆圧で輪郭をグリグリーーー!!!っと描いて、色を塗ってるあの光景。

そりゃ落ち着いてるようには見えないわなー(三ー_ー)

 

絶対にやってはいけないタブー

さぁ、その輪郭を描くより、さらにやってはいけないことがあります。

 

それは、「面倒だから描かない。」「難しいから後回し。」

 

これ、最低最悪です!!

 

なぜか。

 

デッサンとは、全体や隣り合う物を比較して白黒で差別をつけながら書いていく物です。

 

一つ描かないことで、一つ比較対象が減ります。

そうすると、情報が無くなり、進めるのが難しくなってしまうのです。

特に真ん中のメインがかけていないものはよろしくないです。

それ以前に真っ白で違和感しかありません。

 

最初は下手でいいんです。

下手でいいんです。始めの一回は最悪輪郭かいたっていいんです(よくないけど)

でも、何も描かない。これだけは絶対にダメです。

ましてや空白がある上に「かけませんでした」なんてふざけるなんてもってのほかです。

 

考えがあって、よく見せるためにそういう手法を使うのは時にはありです。

でも初心者がそれをやるのはお勧めしません。

まず、苦手でもいいからすべてを描く。

 

上達したい方は、最低限、これだけは守ってください。

 

こんな偉そうなことを言いましたが。

さて、さて。

自分の過ちと、やってはいけないタブーを偉そうに説明しましたが。

このことに気がついたのは…まだまだ先のことです。

私も最初は理解できませんでした。

多分。このことに理解できたのは誰よりも遅かったでしょう。

だから偉そうに言える立場じゃ全然ないのですが…

少しでも私の失敗が皆さんの未来につながればと思い、描かせていただきます。

 

そして、説明しても自分は大丈夫。

 

そんな風に思ってる方がいるかもしれません。

 

そんなあなたに、本当にあなたは大丈夫なのか。

それを簡単にチェックする方法があります。

 

それは次回、お話しいたしましょう。